第二章 高まる熱量〜存在価値の探求とメッセージ開発
「エン学の存在感をもっとアピールする必要がある。そのためには、人の心に響く、シンプルで、エッジのきいたメッセージが必要だ」と鈴木は考えた。
サイトの企画や機能を充実させる以前に、とにかく「メジャーになる」ことが先。それが、今の『エン学』に欠けているものでもあると、鈴木は深井に伝えた。

人の心に響く、シンプルなメッセージとは何か?そのメッセージは、学生だけではなく、企業にも、大学にも、社会にも届く言葉。もちろん、エン・ジャパンの社員にも。
そう、まずは社員の意識を変えることから始めよう、と鈴木は決心した。
「メジャーになる」という覚悟を、みんなが心底本気で持つこと。それから、大学や企業へ、メッセージをしっかり伝えていくこと。方向性は定まった。
深井との毎週ミーティングで、メッセージ案を考案していく鈴木は、同時に競合サイトの調査や予算配分など、事業計画をまとめていった。鈴木への社内的な期待も高く、失敗は決して許されない。
「覚悟が足りない」「引き返せないところまで行かなければならない」そう言ったのは自分だ。
しかし、ともすれば自己満足で終わってしまわないか。どんなに熱いフレーズだと信じていても、社会に届かなければ、評価されなければ、単なる自己満足で終わってしまう。
競合サイトの状況は熾烈を極めている。脅威となる一手を、早く打たなければ。その一手をどうする?意思決定に迷う日が続いた。
深井の成功を手伝うために、逆に彼の意見にNOを唱える日々が続いた。成長のための自己否定。絶えざる議論…。こうして一つのメッセージが生まれる。
