第三章 クライアントの願いを叶えたい!情熱のゆくえ
鈴木と根津は訂正を入れられた原稿を前に、再度戦略会議を行った。
根津「S社には明確なターゲット像がある。その人に響くように社長の思いを伝えているのが、この文章なんだ。」
根津も、ショックを隠せない。『採用成功をもたらす原稿』を書いてきたというライターとしての自負もあるし、S社の課題を解決したいという願いもある。根津は、なぜこの一文が必要なのか、キャッチコピーのどこが採用者の心を掴むのか。鈴木に改めて力説した。

もちろん、営業である鈴木はクライアントの意向を無視する訳にはいかない。高橋社長の気持ちもよく理解できる。それでも、ターゲット人財の採用という今回のミッションを成し遂げるためには、プロとして譲れないポイントがある。
長時間に及ぶ二人の戦略会議。その結果は、もう一度、この原稿で高橋社長に説得しよう―。
自分たちの思いを、なんとかして伝えなければ。鈴木はその場で受話器をあげた。
しかし、高橋社長からの返事はまたもや“NO”だった。
