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女性マネジメントのカリスマ 沼山が語る極意 ―― 「活躍のカギは、上司にあり!」

女性マネジメントのコツ

こんにちは、WOMenらぼ編集部の藤田です。

コピーライターとして入社し早10年。長い年月の中では、メンバーのマネジメントで頭を悩ませた経験もありました。「女性メンバーとどう接すればいい?」「頑張ろうとする女性をどうマネジメントしたらいいの?」と感じている方は、きっと少なくないはず。

そこでインタビューしたのが、執行役員の沼山さんです。「世界で一番、女性が活躍する会社」の実現を目指すエン・ジャパンで、多くの女性メンバーをマネジメント。「事業部のエースとしてリーダーを務める仲野さん」「関西の事業責任者として活躍する石田さん」「全社MVPでママ営業の谷山さん」といった活躍人材を育成してきたカリスマです。

今回は、マネジメントの極意から苦い失敗談まで、赤裸々に語ってもらいました。マネジメントに苦手意識のある方はもちろん、「自分は大丈夫!」と自信満々の方にも、ぜひ読んでほしい内容です。

【沼山流・マネジメントの極意 その1】

メンバーと向き合う、ピンチは一緒に乗り切る ―― それが信頼関係になる

上司としての「基礎の姿勢」を教えてくれたのが、人生で初めて持った女性メンバーの存在でした。

当時私は営業3年目。その子は新卒1年目で、“嬉しい時は喜ぶ” “理不尽なことがあれば怒る” と喜怒哀楽がハッキリしていました。はじめは女性のメンバーとどう接すれば良いのかよくわからず、とにかく一緒に仕事をする中で糸口をつかもうと思ったんです。

たとえば営業先のリストアップも、「ここいけそうじゃね!?」なんて言いながら一緒にやる。商談にも同行する。受注したら一緒に喜ぶし、失注したら「何がダメだったのか」を一緒に考える…当時、パチンコメーカーのお客様を受け持っていた彼女。「パチンコはやったことがない」と言うので打ちに行ったことも(笑)。一緒に仕事をする中で、仕事の悩みからプライベートのことまでどんどん話してくれるようになりました。

組織変更の直前、彼女の直上司でいられる最後の月、彼女は「今月は沼山さんのために達成する!」と言ってくれました。そして彼女はその月のMVPに。自分のこと以上に嬉しかったです。

もしピンチを迎えているメンバーがいれば、一緒に乗り越えようと考えます。入社7年目の頃、異動して人事部のマネージャーになったのですが、ある女性社員が「私もう無理です、どうやって採用活動を進めたらいいのかわかりません」と。入社目標もありますし、現場からは「一刻も早く人材がほしい」という強いニーズもある。それだけでなく、彼女は受け入れの研修もやっていた。板挟みと膨大なタスクの中で、大きなプレッシャーを感じていたんですね。

そこで私は「じゃあ俺も一緒にやるよ!」と。ただ、面接なんてやったことなかったので、必死に勉強しました。文字通り、手探りの状態でしたね(笑)。

上から指示するだけでは、信頼は得られません。メンバーが困っていたら、自分も飛び込んで一緒にやってみる。“自分が辛い時にも逃げずに向き合い続けてくれた” というプロセスこそが、信頼関係につながるのです。

【沼山流・マネジメントの極意 その2】

矛盾した行動・不誠実な行動はしない ―― 筋の通った姿勢が、メンバーからの信頼を生む

逃げない、隠さない、正しいことを正しくやる――今でも後悔している、苦い経験から得た教訓です。

営業マネージャーになると、自分より年上の女性をメンバーに持つことになりました。その女性は、営業成績はグループ内でトップ。当時、新たにチームリーダーを選出する必要があったことから、私は迷わず彼女に打診しました。

マネジメント志向ではなく、「ハイプレーヤーとして活躍したい」という意志をハッキリ持っていた彼女。一度は打診を断られてしまったんです。「それでも」と私が食い下がると、「リーダーミーティングに出なくていいなら…」と譲歩してくれました。私は特例とも言える要望を受け、彼女に半ば強引にリーダーになってもらったのです。

しかし、周囲の見る目は違いました。根は優しい性格ですが、人との接し方が不器用なところがあり、勘違いされやすいタイプだった彼女。周囲はリーダーミーティングに参加しないことに対し、「まあ、あの人だから仕方ないよね…」と。私の判断だったにも関わらず、あたかも「彼女のワガママによってミーティングに参加していない」と思われてしまったのです。

周囲から孤立し始める彼女を、私は守らなかった。本人の希望もキャリアも考えることなく、こちらから無理にリーダーをお願いしたにも関わらず。真剣に向き合うこともせず、その後、私と彼女との関係も悪化していきました。さらに、特例を許した私の未熟な判断によって、周りの士気まで下げてしまった。私のマネジメント人生における最大の後悔です。

日頃、「今月は必ず目標を達成するぞ!」と志の高いメッセージをどれだけ発信しても、上司自身がサボったり、矛盾した行動を取っていたらどうでしょう?当然メンバーからは「結局口だけ」「本気ではない」と思われてしまう。そうしたことが積み重なると、誰も上司を信頼できなくなります。上司は、自分を信じてくれる人、意欲のある人を裏切ってはいけません。

【沼山流・マネジメントの極意 その3】

虚勢を張らず、等身大でいられるように ―― そのための努力と成長を続ける

メンバーを持って間もない上司にありがちなのが、虚勢を張ってしまうこと。「上司はメンバーよりも優れた存在でなければ…」という焦りからでしょう。

気持ちはわからなくもないですが、逆効果。メンバーは、上司が考えている以上に、上司の人間性や本質の部分を敏感に察知するもの。「ああ、この人強がってるな」と思われるだけです。

虚勢を張ってしまうのは、裏を返せば自分に自信が無いからです。それならば、虚勢を張らなくとも自信を持ってメンバーと向き合えるよう、自分の実力を高めるべき。

「力が足りていない」「信用に足らない」と感じたら、努力でカバーする。仕事で成果を出すために、必要な知識やノウハウを身につける。そして、誰よりも諦めずにやりぬく。メンバーをコントロールしようとするより、自分自身を変える方が簡単です。

【沼山流・マネジメントの極意 その4】

まずはメンバー1人ひとりを知る ―― 尊重し、「活躍できる環境」を作る

「メンバーが仕事に打ち込み、能力を最大限発揮できる環境をつくること」。上司の大切な役割です。第一歩として必要なのが、1人ひとりの置かれている状況、大切にしているものを理解すること。

特に女性の場合、結婚や出産などで働き方が変化することも多い。あまり帰りが遅くなれば旦那さんも心配するだろうし、お子さんがいれば仕事を第一優先できない時だってある。仕事と同じくらい、家庭でお子さんや旦那さんと過ごす時間は大切なものなんです。

メンバーが大切にしていることを知り、私自身もそれを尊重する。そうしなければ、私が大切にしてほしいことだって大切にしてはもらえません。

プライバシーに関わる話は、いきなり質問したって怖がられます。聞くだけで問題になることもあるでしょう。だから前提として、こういった話ができる信頼関係をつくる。そのためにはまず自己開示からして、少しずつ相手に心を開いてもらうんです。そういった積み重ねがあるからこそ、メンバーとの日々の何気ない会話でも「出身地や今住んでいる地域」「趣味や飼っているペット」「お子さんの名前、歳、好きなこと」といった話題が自然と出てくるのです。

最後に ―― たくさんのメンバーを持ってきましたが、実は、マネジメントの方法に男性も女性もあまり関係ないとも考えています。基本的に、手加減もしません。ただ、どちらかといえば女性の方が人の気持ちに敏感です。上司という以前に1人の人間として適切に配慮し、尊重する。「この人は信じられる」と思ってもらうこと、信頼関係を作ることが大事だと学びました。

編集後記

メンバーのマネジメントに悩んでいた当時、
部署も全く違う沼山さんに何度か相談していました。

「上司とメンバーの関係に問題がある時、その原因は往々にして上司にある」

最初に言われたその言葉を、思いもよらない言葉に感じたのは、当時の自分の未熟さゆえ。 そして、何が問題で、具体的にどうすべきかアドバイスをいただきました。その通りに行動を変えることで、問題は改善していったのです。

今回のインタビューで改めて気づかされました。
当時悩んでいたことの原因は、やはり私自身にあったということ。
変化の起点は、上司がつくる。他人を変える前に、自分が変わる。
その姿を見たら、メンバーもきっと変わってくれる。そう信じること。
私が沼山さんから学んだ行動規範です。

[取材・文/藤田 浩]

藤田浩

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