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年収1000万円以上の37%が
「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」は「必要」と回答
ー 「エン 転職コンサルタント」ユーザーアンケート集計結果 ー

2014/09/22

人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営する人材紹介会社集合サイト『エン 転職コンサルタント』( http://consultant.en-japan.com/ )上で、サイト利用者の1,764名を対象に「ホワイトカラー・エグゼンプション制度(残業代ゼロ法案)」についてアンケート調査を行いました。以下、概要をご報告します。

 

■調査結果概要

労働政策審議会で改めて「ホワイトカラー・エグゼンプション制度(正式名称:日本型新裁量労働制)」が新成果給制度として2016年春にも施行される方向で議論されています。現行規制の下では長く働くほど残業代が増える傾向にあり、だらだら残業などの長時間労働を誘発しているのではと問題視されています。一方で本制度の導入によってサービス残業を後押しするのではとの懸念から「残業代ゼロ法案」とも言われ、賛否を巻き起こしています。

 

今回実施した「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」に関する調査では、本制度を「不必要」とする意見が過半数を占めました。ただ制度の規制対象となる年収1000万円以上の方など、年収が上がるほど「必要」とする回答が増える傾向にあります。具体的なメリットとしては、「無駄な残業代がなくなる」「自分のペースで柔軟な働き方ができる」などの意見が上がっています。他方でデメリットとしては「サービス残業の助長」「残業代や割増手当が支払われない」など、現在懸念されている事項があがっています。導入することで、日本的な長時間労働を美とする企業文化に変化があるのではと期待する一方で、きちんとした企業倫理、マネジメント側の意識改革が必要といった声が寄せられています。

 

■調査結果詳細

1:高年収層ほど「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」が必要と回答。(図1・図2)

「ホワイトカラー・エグゼンプション制度は必要だと思いますか?」という質問に対して、26%の方が「必要」と回答。賛否両論ある制度ですが、現状では否定的な意見が多数派を占めているようです。年収別に見ると、今回の制度対象とされている「年収1000万円以上」の方は「必要」と回答した方が37%となり、全体よりも肯定派が増えています。一方で、一般男性の平均年収より下回る「年収499万円以下」の方では「必要」という回答が23%で、年収が上がるごとに「必要」と考えている方が増える傾向にあります。

 

【年収1000万円以上で「必要」と回答した方の理由】

◎残業代を稼ぐためのダラダラ残業は、企業の生産性を低下させ、ワークライフバランスを妨げる。

◎欧米先進国では一般的。この制度を含めて、日本の給与制度はグローバル化していく必要がある。

◎日本のサラリーマンは残業代込の年収という意味も含めて成果の上がらない残業が多すぎると思う。そもそも8時間の定時までの間、目一杯働いているならば、本当はそこから長時間残業などできないのではないか。

◎仕事の出来ない者ほど、残業しており、残業代を稼いでいる実態は無視できない。

◎現在の制度のみでは、効率の悪い人が残業すればするほど、残業手当がもらえることになり、仕事が出来る人ほど損をする。現在の制度は、会社から早く帰りづらい雰囲気を助長している。

◎労働時間と成果が比例するのは、工場の生産ラインなど、ごく一部の職種に限られるから。業務の効率が悪く同じ仕事に長時間掛かる方が報酬が多くなるのはナンセンス。

◎生産性を向上させる意味において極めて有効な施策だと思う。有能な方は自身の能力をしっかりと認識しており効率よく職務を遂行しているが、そうでない方にはこの施策が転機になるのではないか。経営側も生産性向上によるメリットは大きいと考える。

◎ホワイトカラーの仕事は時間ではない。しかし、日本企業は雑務が多すぎ、これが労働時間を長くしている元凶と感じられる。残業代ゼロ法案がきっかけとなり、このムダ時間にメスが入ればと思う。

 

【年収1000万円以上で「不必要」と回答した方の理由】

◎成果の定義が不明確なのに悪用されるだけ。

◎すでに裁量労働制がある。

◎(対象となる年収1000万円以上の)社員は既に管理職で、残業手当対象ではないから。

◎IT業界では、既にみなし残業制度による残業代不適用の雇用契約が一般的。

 この業界では、今さら、の観が強い。

◎日本では「残業手当は100%支払う」という制度が定着していない。依然としてサービス残業がまかり通っている。サービス残業をゼロにした上で新たな法をつくらないと、経営側にのみ有利なサービス残業奨励法になりかねない。

◎残業を減らしたいのなら、残業のコストを上げるべき。

◎働いた時間を全く賃金に反映しなくなると、モチベーションが上がらない。

◎企業ごとの事情によるものであり、政府が一律で規定すべきではない。

 

また「現在勤めている企業(もしくは直近で勤めていた企業)で月間残業時間はどの程度ありますか?」と伺ったところ、全体で一番多かった回答は「21~40時間以内」(26%)でした。「年収499万円以下」では「全くない」「1~10時間以内」「11~20時間以内」という回答を選んだ方が半数を占めました。残業時間は年収が高い方が長くなっています。

 

【図1】ホワイトカラー・エグゼンプション制度は必要だと思いますか?

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【図2】現在勤めている企業(もしくは直近で勤めていた企業)で月間残業時間はどの程度ありますか?

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2:高年収層は「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」導入により、

  「自由な働き方」「成果の正当な評価」を期待。(図3・図4)

「 ホワイトカラー・エグゼンプション制度を入れた場合、どんなメリットがあるとお考えですか?」と伺いました。第1位は「特にメリットを感じない」(40%)、第2位は「無駄な残業代がなくなる」(37%)という結果に。「年収1000万円以上」の方に限定すると、第1位は「無駄な残業代がなくなる」(39%)、第2位は「自分のペースで柔軟な働き方ができる」(32%)と回答内容に変化が見られました。その他、低年収の方に比べて「成果が正当に評価される仕組みになる」(年収499万円以下の方:18%、年収1000万円以上の方:23%)「優秀人材の育成に繋がる」(年収499万円以下の方:11%、年収1000万円以上の方:16%)といった回答のポイントも高く、高年収層の方は、より多くのメリットを見出しているようです。

 

「 ホワイトカラー・エグゼンプション制度を入れた場合、どんなデメリットがあるとお考えですか?」という質問に対しては、第1位が「サービス残業の助長」(70%)、第2位が「残業代や割増手当が支払われない」(60%)、第3位が「一人あたりの仕事量が増加」(42%)という結果になりました。年収別での大きな違いは見られなかったものの、「年収1000万円以上」の方は全体的にデメリットを感じるポイントが少なかったようです。「特にデメリットを感じない」という回答も、全体より10ポイント以上高く23%の方が選択していました。

 

【図3】ホワイトカラー・エグゼンプション制度を入れた場合、どんなメリットがあるとお考えですか?(複数選択可)

ホワイトカラーエグゼンプション3.jpg

 

【図4】ホワイトカラー・エグゼンプション制度を入れた場合、どんなデメリットがあるとお考えですか?(複数選択可)

ホワイトカラーエグゼンプション4.jpg

 

 

2:ホワイトカラーの生産性を上げるための方法 BEST3 は「業務の優先順位の明確化」

   「打ち合せ時間を短縮」「一日のスケジュール管理を徹底」。(図5)

今回審議されている「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」は、労働生産性を上げていくことを目的の1つとしているため、「ホワイトカラーの生産性を上げる方法があるとすれば、どのようなことだと思いますか?」という質問も行いました。全体の回答は、「業務の優先順位の明確化」(55%)が第1位、「打合せ時間を短縮」(43%)が第2位、「一日のスケジュール管理を徹底」(37%)が第3位となり、年収別でも同じ順位となりました。年収別の傾向では、「年収499万円以下」の方がより多く選択した項目として「残業削減率を賞与に反映」(年収499万円以下の方:39%、年収1000万円以上の方:23%)、「マニュアル作成など、業務を汎用化」(年収499万円以下の方:28%、年収1000万円以上の方:15%)などがあがり、業務効率化のために新たに何かを整備することに対しては、高年収層ほど消極的なようです。

 

「年収1000万円以上」の方で「その他」を選んだ方のコメントを見ると、『努力の評価をやめる』『達成すべき成果と評価基準を明確に定義する』『時間と評価・処遇の連動性を絶ち切る』『目標管理をそれぞれに権限譲渡して個々人の責任を明確に』などの今回の制度と関連した内容のコメントや、『無駄な上司への、報告のための報告、データまとめをなくす』『会議禁止』などの具体的な意見が上がっていました。

 

【図5】ホワイトカラーの生産性を上げる方法があるとすれば、どのようなことだと思いますか?(複数選択可)

ホワイトカラーエグゼンプション5.jpg

 

 

【調査概要】

■調査方法:インターネットによるアンケート

■調査対象:「エン 転職コンサルタント」利用者 1,764名

               うち、年収499万円以下の方 724名、1000万以上の方 210名

■調査期間:2014年7月1日~2014年7月31日

 

 

 

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▼プレスリリース ダウンロード 20140922_転コン7月度.pdf

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