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92%のワーキングマザーが出産前より仕事への意欲が上昇。
要因は「仕事観・キャリア観の変化」。
~エン・ジャパン「ワーキングマザーに関する意識調査」 ~

2014/05/31

 人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)は、ウーマノミクスをはじめとする「女性の活躍支援・推進」同様、「女性が世界で一番活躍する会社」を目指して、日々活動しております。近年は、社内で育児休業明け社員の人数が大幅に増加していることを受け、2014年5月に自社社員を対象とした「ワーキングマザーに関する意識調査」を行いました。609名(※)から回答を得ましたので、以下のとおり、概要をご報告します。

  ※ワーキングマザー本人が24名、その他社員が585名

 

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■調査結果概要

★92%のワーキングマザーが出産前より仕事への意欲が上昇。

 要因は「仕事観・キャリア観の変化」。

 

★女性社員の69%が「ワーキングマザーになりたい」と回答。

 

★ワーキングマザーが周囲に与える影響は、第1位「時間に対する意識向上」、

 第2位「価値観の多様化」、第3位「未婚女性社員のキャリアイメージ醸成に寄与」。

 

★管理職が部下のワーキングマザーに困っていることは「任せる業務の量」。

 ワーキングマザー本人が困っていることは「情報伝達スピード」。

 

★管理職がワーキングマザーに求めたいことは

 「時間内での生産性」「業務を抱え込まないこと」。

 

調査結果詳細

1:92%のワーキングマザーが出産前より仕事への意欲が上昇。

   要因は「仕事観・キャリア観の変化」。(図1、図2)

 

 エン・ジャパンの社員で、出産を経験したワーキングマザーに現在の仕事への意欲を聞いたところ、元々高かった社員も含めて、92%が「意欲が上がった」と回答。8割のワーキングマザーが「仕事観・キャリア観の変化」が仕事への意欲に影響していると回答しています。フリーコメントでは「家庭を持ち社会的に責任ある立場になったから」「時短でわざわざやっている以上、何か積み上げていきたいと感じるように」「家庭と仕事と居場所が2つあることで、良い気分転換になる」という声が寄せられました。産休・育休という長期休みや育児を経験したことで、仕事に対する価値観が変わったことが伺えます。

 

【図1】出産前と比較して、仕事への意欲はどう変化しましたか?

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【図2】仕事への意欲に影響を及ぼしているものを教えて下さい。

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2:女性社員の69%が「ワーキングマザーになりたい」と回答。(図3、図4)

 過半数の女性社員が、もし子供が生まれても働き続けたいと回答。昔のように結婚や出産によって、仕事を辞めるという選択肢を想像している人は少ないようです。

 

 いいえ」「分からない」と回答している社員の理由は「将来の働き方をイメージ出来ないから」(63。フリーコメントでは「そもそも子供を持つことをキャリアロスと捉えてしまい、イメージが沸かない」という声が。ワーキングマザーの仕事への意欲が出産前よりも高まっている一方、出産前の社員には、子供が生まれることで、現在のキャリアが断絶する、キャリアアップの時期を逃すという印象が強いようです。

 

【図3】女性のみご回答下さい。母親になっても働きたいと思いますか?

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【図4】図3で「いいえ」「分からない」と答えた社員に質問です。

     その理由を教えて下さい。(複数回答可)

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3:ワーキングマザーが周囲に与える影響は、第1位「時間に対する意識向上」、

   第2位「価値観の多様化」、第3位「未婚女性社員のキャリアイメージ醸成に寄与」。(図5、図6)

 職場において、身近な組織にワーキングマザーがいる社員は42%でした。その社員を対象に「ワーキングマザーが周囲に与える影響」について聞きました。

 

 現在「ホワイトカラー・エグゼンプション」(労働時間規制の適用除外)が国会で審議されているように、労働生産性を高めることが各所で求められています。限られた時間内での成果を必然的に求められるワーキングマザーが身近にいることで、時間当たりの生産性意識が高まると考える社員が74%と過半数を超えました。その他、組織におけるダイバーシティ推進に寄与しているという意見も。マネジメントも複雑化し、管理職にとっては今までの単一マネジメントから脱却できるチャンスが来ているようです。

 

【図5】職場で身近な組織にワーキングマザーがいますか?

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【図6】職場で身近にワーキングマザーがいる社員に質問です。

     ワーキングマザーが職場にいることで、どのような影響がありますか?(複数選択可)

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4:”ワーキングマザー”のイメージは、女性にとって「人生が充実」

    「重要なポジションは任されにくい」と相反するイメージが共存。(図7)

 「ワーキングマザー」という言葉でイメージするものは、「家庭と仕事の両立が大変そう」(86%)が圧倒的多数にのぼり、予想通りの結果に。その他、職場に与える影響同様、「業務効率が良い」(49%)というポジティブな声もあがりましたが、ほとんどのワーキングマザーが時短勤務のため、「重要なポジションは任されにくい」(43%)というネガティブな印象もあるようです。

 

 男女の違いで、特に女性は「人生が充実している」(43%)という項目が、男性に比べて20ポイント以上多い回答を集め、ワーキングマザーに対するポジティブな印象があります。一方で「重要なポジションは任されにくい」(52%)といったネガティブなイメージも半数を超え、やはりキャリアにとってはマイナスのイメージが強いことがうかがえます。

 

【図7】ワーキングマザーと聞いて連想するイメージはなんですか?(複数選択可)

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5:ワーキングマザーの業務を手伝ったことがある社員は、26%。(図8、図9)

 「時短勤務者が残した業務を快く代行対応するために、どのようなインセンティブがあれば良いか」という質問に対しては、「インセンティブは必要ない」(49%)という意見が一番多い結果に。ワーキングマザーに限らず、お互い助け合う精神が強いことが伺えます。

 

 回答の男女別傾向としては、女性は「インセンティブは必要ない」(44%)よりも「感謝の言葉や態度」(56%)「自分の業務負荷の可視化」(50%)といった心情への配慮を求める項目が高い傾向となりました。また男性は女性よりも「評価時の加点評価」(36%)「職務給の設定(ワーキングマザーのサポート)」(31%)などが10ポイント以上高く、評価や報酬といった具体的なインセンティブを求める傾向にあるようです。

 

【図8】職場で身近にワーキングマザーがいる社員に質問です。

    時短勤務者の業務で代行対応をしたことがありますか?

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【図9】時短勤務者の業務を代行対応をしたことがある社員に質問です。

   その際に、どのようなインセンティブがあれば、快く対応ができますか?(複数選択可)

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6:管理職が部下のワーキングマザーに困っていることは「任せる業務の量」。

   ワーキングマザー本人が困っていることは「情報伝達スピード」。(図10、図11、図12、図13)

 管理職経験者に「ワーキングマザーが部下の場合、困ること」を聞いたところ、「目標設定が適正かどうかの判断」(76%)が第1、僅差で「業務量が適正かどうかの判断」(74%)が第2、次いで「急に休んだ時の対応」「時間の配慮」(56%)が第3となりました。一般的な存在になりつつある産休復帰者に対して、管理職はどこまでの業務を求めるかというバランスに苦慮している様子が伺えます。

 

 同様にワーキングマザー当人にも「職場でのコミュニケーションで困ったことがあるか」を聞きました。 50%が「時々ある」と回答。理由としては「周囲が忙しい時に、子どもの用事で休みをお願いしづらい」「(人材紹介事業では土日対応も発生するため)休日対応のバックアップがない」という業務上のものや、「情報取得。会社にいる時間が少ないため、漏れがあった」「飲み会など業務時間外の付き合いが難しいため、グループが異なる人とのコミュニケーションの場がない」「時短で帰るため、社内の普段の雰囲気がつかめない」という情報伝達・日常のコミュニケーション不足を指摘する声があがりました。

 

【図10】管理職経験がある社員に質問です。

    ワーキングマザーが部下の場合、困ることを教えて下さい。(複数選択可)

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【図11】ワーキングマザーの社員に質問です。職場でのコミュニケーションで困ったことはありますか?

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 あわせて、管理職経験者に「ワーキングマザーが部下の場合、配慮すること」を聞いたところ、1位「業務時間内での帰宅」(85%)、第2位に「業務量が適正かどうか」(75%)と業務負担の把握をはじめ、時短勤務者が定刻に帰宅できることを最優先で配慮していることが伺えます。その他、フリーコメントでは「夫や身内の育児・家事の協力状況の把握、子どもの特徴理解と子育てのやりがいと悩みを出来る限り具体的に理解する」という声が。

 

 一方、同様の質問(管理職に配慮して欲しいこと)をワーキングマザー当人にも聞いたところ、1位は「ミーティングや勉強会の実施時間」(58、管理職の回答は37%)と管理職と20ポイント程度の乖離が見られました。フリーコメントでは「(自分の勤務時間外に勉強会や打ち合わせが実施され、参加できないことで)周りとの知識やスキルに差がますます開いていくのでは」という不安の声があがりました。

 

 その他、管理職では第1位、第2位となっていた「業務時間内での帰宅」、「業務量が適正かどうか」も3040ポイント程度、ワーキングマザーの回答では低い結果となりました。フリーコメントでは、「既に配慮をされているため、現状特に気になっていない」という声が多くあがり、本質的には配慮が求められる項目のようです。また管理職のコメントにあった「家庭状況の理解」ですがワーキングマザー側のフリーコメントでも「子どもや家のことをどこまでオープンに話すべきか、どこまでの人に話すべきか迷った」という声が寄せられました。お互い、どこまで踏み込んで良いのか距離感を測りかねている様子が見受けられます。

 

【図12】管理職経験がある社員に質問です。

    ワーキングマザーが部下の場合、配慮することを教えて下さい。(複数選択可)

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【図13】ワーキングマザーの社員に質問です。

    管理職に配慮して欲しいことを教えて下さい。(複数選択可)

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7:管理職がワーキングマザーに求めたいことは

   「時間内での生産性」「業務を抱え込まないこと」。(図14、図15)

 管理職経験者に「ワーキングマザーが部下の場合、本人に求めたいこと」を聞いたところ、「時間内での生産性アップ」(70%)が第1位、次いで「業務を抱え込まない」(59%)が第2位で、それぞれ過半数を超えました。フリーコメントでは「ワーキングマザーでも他の社員でも、仕事を進めるうえで周囲の協力が不可欠。その点、当社のワーキングマザーは周囲に遠慮しすぎている」「いつでも引き継げるよう、業務の見える化を」という声があがりました。

 

 ワーキングマザー当人にも「仕事や周囲とのコミュニケーションで意識していること」を聞きました。 第1位は同じく「時間内での生産性アップ」(88%)。2は管理職経験者の回答よりも30ポイント高い回答を集め、「周囲の社員への配慮」(79%)という結果に。周囲へ配慮をするあまり、業務を抱え込んでしまう傾向もあるのかもしれません。

 

【図14】管理職経験がある社員に質問です。

    ワーキングマザーが部下の場合、本人に求めたいことを教えて下さい。(複数選択可)

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【図15】ワーキングマザーの社員に質問です。

    仕事や周囲とのコミュニケーションで意識していることを教えて下さい。(複数選択可)

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<調査概要> 

調査目的:

ワーキングマザーに対するイメージおよび円滑な職場環境構築のポイントを理解する。

 

調査期間:

2014年5月12日(月)~5月16日(金)

2014年5月22日(木)~5月27日(火) ※育休から復帰した社員対象

 

調査対象:

エン・ジャパン株式会社に勤務する正社員

  -育休から復帰した社員:24名

      -上記以外全社員:585名(男女比=6:4)

 

 

【エン・ジャパンの女性活躍支援・推進に対する取り組み】

 エン・ジャパンでは2013年2月より、現職復帰を前提とした新たな職務グレード「 I付グレード」を導入いたしました。この取り組みや女性活用推進プロジェクト(※1)をはじめとする各種活動により、2013年度・2014年度と2年連続で産休取得率・育児休業復帰率(※2)ともに100%を記録。それに伴い、各職場に復帰をして時短勤務で働くワーキングマザーが年々増えています。

             (育休復帰社員数:24名、育休取得中社員数:15名 2014年5月30日現在)

 そこで、今後も各成長企業が直面する、キャリアの足踏み期となるステージを円滑に乗りきるヒントを探るため、ワーキングマザー本人と周囲で働く社員それぞれに本調査を実施しました。

 

 ※1:WOMenらぼ

 「世界で一番女性が活躍する会社」を目指し、社内制度・風土改革に取り込む社内プロジェクト

 

 ※2:「育児休業復帰率」は、一部、家庭の事情(保育園への入園など)により復帰できなかった者を除く

 

 

【 I付グレード概要・導入背景】

 「 I付グレード」は、総合職社員で育児や介護を行う者が、短時間勤務を希望する場合に転換できる職務グレードです。育休復帰の場合は、休職前と同職種に復帰することを前提に、定額残業給も含まれた職務給の総額の8分割の勤務時間分が給与となります(例:月給285,000円の社員が6時間勤務で復帰する場合の月給は213,750円)。勤務時間は子供が小学校3年生になるまで、1日当たり30分単位で2時間まで短縮することができます。また、求める成果も8分割の勤務時間分となります。

 本制度は、育児休業からの復帰を阻む2点の問題を解決するために、2013年2月に導入されました。

「 I付グレード」導入前に育児休業から復帰をする女性社員は、基本的に時短勤務となるため、職種変更・給与の大幅ダウンを受け入れることが少なくありませんでした。理由は、正社員の多くの仕事がフルタイム勤務を前提に組まれていたこと。さらに、営業職など職務給に定額残業給が含まれていると、時短勤務者はそもそも残業ができない前提のため、職務給分、給与が大きく下がる状況がありました。

 職種変更はこれまでのキャリアが断絶することになり、本人にも会社にもダメージがあります。また給与のダウン幅がモチベーションダウンにつながり、復帰せず退職に至るケースも発生していました。

 

 

 

エン・ジャパンは、今後も女性が活躍できる環境構築に努めていきます。

本調査の結果や、当社のワーキングマザーにご興味のある方は、

取材可能ですので、広報まで御連絡下さい。

 

 ※例えば、下記のようなワーキングマザーがいます。

  ・複数名の子供を育てながら、サイト編集長として活躍

  ・時短と在宅のハイブリッド型の働き方で、フルタイムと同じ成果を出している営業

  ・時短と在宅のハイブリッド型の働き方で、10数名の部下を束ねる管理職

  ・時短勤務の中、自身のキャリアアップのために異動を実現      など

 

 

 

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▼プレスリリース ダウンロード  20140531 ワーキングマザーに関する意識調査.pdf
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エン・ジャパン株式会社
広報担当:森本
TEL:03-3342-4506 FAX:03-3342-4507
E-mail:en-press@en-japan.com