2014年の中途採用状況報告
中途採用活況に伴い、転職希望者への門戸拡大
ー人事担当者向け 中途採用支援サイト「エン 人事のミカタ」アンケートー
人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営する人事担当者向け中途採用支援サイト「エン 人事のミカタ」( https://partners.en-japan.com )上でサイト利用者の189名を対象に「中途採用の採用基準」についてアンケート調査を行いました。以下、概要をご報告します。
厚生労働省発表の2014年9月の一般職業紹介状況によると、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は0.67倍。前月比で0.01ポイント低下したものの、上昇基調が続いています。しばらく抑制されていた中途採用は活況の様相ですが、各企業の採用活動状況にも変化が見られるのでしょうか。今回の中途採用担当者を対象とした調査では、中途採用の実施状況や選考基準、採用実績を伺いました。
今年中途採用を実施した企業は全体の86%となり、この5年で24%増加。採用理由は「業務量増加」「欠員補充」に大別されました。採用段階ごとの状況を伺うと、応募者の数・質・面談設定の難易度・内定辞退状況などすべての指標で企業が苦戦したという回答に。各社が採用意欲を高めたため、人材の取り合いになっていることがうかがえます。約3割の企業が「採用基準の見直し」を実施。即戦力を求めて採用基準を上げる企業と、基準を下げて採用数を確保することで、企業運営に支障が出ないよう対応する企業とに分かれました。実績を伺うと、今年採用した方の年齢が34歳以下の若手層と回答した方は80%、一方で35歳以上のミドル層を採用した方も53%にのぼりました。転職希望者にとっては、門戸が広がったと言えそうです。
各企業で中途採用を担当されている人事の方に、「貴社では、2014年に中途採用(正社員募集)を実施されましたか?」と質問をしました。「実施した」という回答が全体の86%にのぼり、昨年比で3%増加、2009年の調査よりも24%増加となりました。
中途採用を実施した企業に「中途採用(正社員募集)を実施した理由は何ですか?」と伺ったところ、「業務量増加」(46%)と「欠員補充」(43%)に二分されました。特に業績拡大に伴う「業務量増加」の回答が「欠員補充」よりも10%以上多く、現在の景気上昇機運の影響を受けていると考えられるのは、「IT・情報処理・インターネット関連」(72%、欠員補充は23%)「不動産・建設関連」(50%、同29%)の2業種です。「IT・情報処理・インターネット関連」は、各社のIT化推進に伴うエンジニア不足、インターネット関連企業を中心とした新規サービス開発・新規事業参入が増加。「不動産・建設関連」は、復興需要やオリンピック需要による人手不足が続いています。
【図1】貴社では、2014年に中途採用(正社員募集)を実施されましたか?
【図2-1】図1で、中途採用を実施したと回答された方に伺います。中途採用(正社員募集)を実施した理由は何ですか?
【図2-2】図1で、中途採用を実施したと回答された方に伺います。中途採用(正社員募集)を実施した理由は何ですか?
中途採用を実施した方に「応募者の数」「応募者の質」「面談設定の難易度」「内定辞退」について、それぞれ伺いました。いずれの指標も採用企業側にとっては厳しい結果となり、転職希望者が転職先を選べている傾向が見られます。応募者数は「減った」という回答が36%、「増えた」という回答は20%。応募者の質は「下がった」という回答が31%、「上がった」という回答は13%。面談設定は「設定しづらくなった」が26%、「設定しやすくなった」が6%。内定辞退は「増えた」が29%、「減った」が5%です。
【図3】図1で「(中途採用を)実施した」と回答された方に伺います。昨年(2013年)との違いについてお答えください。
中途採用を実施した方に、「昨年(2013年)と採用基準を変更されましたか?」と質問をしたところ、26%の方が「変更した」と回答。具体的にどのように採用基準を変更したかについては、もっとも多かった意見が「必要スキルの経験年数」(74%)。次いで、「能力」(60%)、「職歴」(40%)という結果になりました。
具体的には、理由が2点挙げられています。1点目は『即戦力化をかなり期待する為、経験年数の長い方を選考に進めている』『即戦力を重点にスキルを詳細に決めた』『より即戦力を求める必要性があった』など、事業展開スピードが上がっており、入社後すぐに業務にとりかかれるよう、採用基準を上げた(厳しくした)という理由。もう1点は『欠員に対し、応募数が少ない』『従来の採用基準をキープすると採用に繋がらないため、「入社させてから教育する」というつもりでの採用に切り替えた』『業務知識が皆無の応募者でも面接をした』『経験者採用のみでしたが、応募者の年齢層が高かったため、未経験でもOKのポテンシャル採用を打ち出して若手の応募を増やそうと試みた』など、採用難易度が上がっているため、従来よりも採用基準を下げた(緩くした)という理由でした。人で不足感が漂う中で、各社中途採用を強化しており、厳選採用にこだわる企業がある一方で、できるだけ幅広い応募者から選考を行うために、採用基準を下げている企業に分かれるようです。
【図4】図1で「(中途採用を)実施した」と回答された方に伺います。昨年(2013年)と採用基準を変更されましたか?
【図5】図4で「変更した」と回答された方に伺います。具体的に、どのような採用基準を変更されたのですか?(複数回答可)
中途採用を実施した方に「採用された方の年齢は何歳ですか?」と伺いました。もっとも多かったのは「25~29歳」で56%、次に「30~34歳」が52%で、採用基準を下げてでも若手を確保したいという企業の思惑を感じる結果となりました。34歳以下の若手層を採用した企業は全体の80%にのぼります。反面、即戦力や管理職クラスの人材を求める声も強く、「35~39歳」が38%と「20~24歳」の31%を上回りました。35歳以上のミドル層を採用した企業は全体の53%と半数を超えています。35歳転職限界説が崩壊したと言われて久しく、実際の企業の採用実績にも表れていることがうかがえます。
【図6-1】図1で「(中途採用を)実施した」と回答された方に伺います。採用された方の年齢は何歳ですか?(複数回答可)
【図6-2】図1で「(中途採用を)実施した」と回答された方に伺います。採用された方の年齢は何歳ですか?(複数回答可)
【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:「エン 人事のミカタ(https://partners.en-japan.com)」を利用している人事担当者 189名
■調査期間: 2014年8月20日 ~ 2014年9月9日
エン・ジャパン株式会社
広報担当:森本
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