62%の転職コンサルタントが
「キャリアの棚卸しができていない方が多い」と回答。
転職支援のプロが指南するコツをご紹介
―「エン転職コンサルタント」コンサルタントアンケート集計結果―
人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木 孝二)が運営する人材紹介会社集合サイト『エン転職コンサルタント』( http://consultant.en-japan.com/ )上で、転職コンサルタント140名を対象に「キャリアの棚卸し」についてアンケート調査を行いました。以下、概要をご報告します。
転職活動で求職者がしばしば直面する課題は、「キャリアの棚卸し」。そもそもなにから手を付ければ良いのか分からない。どこまで出来れば、出来ていると言えるのかが分からないという悩みの声が聞こえてきます。きちんと整理されていると、自身が中途採用市場で持つ価値や進むべき道も明確になり、転職活動を希望通りに進めることに近づきます。そこで今回は、転職活動支援のプロである転職コンサルタントの方々に「キャリアの棚卸し」について伺いました。
★62%の転職コンサルタントが「キャリアの棚卸しが十分にできていない求職者が多い」と指摘。
★キャリアの棚卸しの最大メリットは「自身のキャリアを客観的に見直す」こと。
★キャリアの棚卸しのポイントは、「具体的」に「深く」「多角的な視点」で行うこと。
「担当した求職者で、”キャリアの棚卸し”が十分にできている方と、できていない方はどちらが多いですか?」と転職支援のプロである転職コンサルタントの方々に伺ったところ、「どちらかというとできていない方が多い」(53%)「十分にできていない方が多い」(9%)という回答が6割を超えました。転職活動を行う上で、非常に重要かつ基礎となるポイントにも関わらず、きちんと取り組めていない方が過半数を占めることがわかります。
【図1】担当した求職者で、”キャリアの棚卸し”が十分に出来ている方と出来ていない方はどちらが多いですか。
「キャリアの棚卸しを行うことで、どのようなメリットがありますか?」と伺いました。圧倒的支持を集めたのは「自身のキャリアを客観的に見直す」(81%)。次いで「応募書類・面接でのアピールポイントを整理」(51%)、「職務経歴書の作成がスムーズに行える」(45%)となりました。転職活動を有利に進めるために、選考時のアピール内容が明確になることはもちろんメリットですが、そもそも転職が自身のキャリアにとって、意味があるものなのかも含めて、冷静に検討することができるようです。
【図2】キャリアの棚卸しを行うことで、どのようなメリットがありますか?(複数回答可)
キャリアの棚卸しとは、一体なにをすべきなのか。「キャリアの棚卸しで必ず押さえておくべきポイントを教えてください」と伺いました。第1位は「出来るだけ具体的に棚卸しを行う」(49%)、第2位は「転職希望理由やキャリアビジョンなどを深く掘り下げて突き詰める」(39%)、第3位は「コンサルタントなどを活用し、多角的な視点から棚卸しを行う」(31%)となりました。「具体的」に行うためには、経験業務を大分類・中分類・小分類にわけ、小分類については箇条書きで職務を洗い出すと良いそうです。「深く」掘り下げる際は、転職理由について、ネガティブなものも含めて洗い出すこと。また自律的に行動して発生したキャリアと、組織から指示のあったキャリアを分けることも重要です。「多角的な視点」は、自分のキャリアや成果は、大した事ではないと思いがちなので、転職コンサルタントなどの第三者に何でも話し、キャリアを考える上で有効なポイントを洗い出してもらうとさらにブラッシュアップされます。
「キャリアの棚卸しが適切にできている方は、どのような点に注力していますか?」と伺うと、第1位は「今までのキャリアの具体的な仕事・職務内容」(61%)、第2位は「今後のキャリアにおける目標・理想像」(48%)、第3位は「今までのキャリアで残した実績」(46%)となりました。まずは、過去の経験の洗い出しがポイントのようです。
【図3】キャリアの棚卸しで必ず押さえておくべきポイントを教えて下さい。(複数回答可)
【図4】キャリアの棚卸しが適切にできている方は、どのような点に注力していますか。(複数回答可)
【具体的】
●自分の本音と正直に向き合った、飾らない「棚卸し」を第一に自分自身が行うことです。その次に、それをコンサルタントや企業にどのような言葉で説明するかを考えます。本音でない志望理由や転職理由はどこかで見破られます。
●仕事の上でメモをしたこと等をノートに落としている方が多いと思うので、振り返って自分自身がどの様な仕事にどういう形で取り組んだか等を一つづつ掘り起こす事。
●なぜその仕事を選んだのか、自ら選んだのか、選択肢がなかったのかを振り返ること。また、仕事や職場に期待していたことと、期待していたことができなかったことも含めて振り返り、自己効力感と自己理解を深めることが、未来につながるキャリアの棚卸しができることになります。
●まずは、徹底的に「できること」「できないこと」を自分に問うことから。専門家とはいえ、コンサルタントの時間を取るまでにこれができていると具体的な仕事情報が見つかりやすく、ぶれない転職につながります。
【深く】
●最初からまとめようとせず、兎に角、思い出すままにやってきたことと成果を搾り出すこと。一晩寝かせて、もう一度思い出し書き出す。まさに「棚卸し」を3日くらい掛けて行って仕上げること。
●まず、時系列に今までのキャリアを簡単に箇条書きで書き出す。次に、それぞれのキャリア(箇条書き)に枝をつけ、具体的な内容を記す。数字で表せるところを数字を使い、それ以外は、枝に掘り下げた内容を記す。と、経験の深さ・広さがわかってきます。詳細は、書ききれません。
●細かいことを網羅するよりも、大きなカテゴリから落とし込んで行って、重要度の高い順番に羅列していくことが重要。
●自身の経験・強みをピックアップした上で、今後どういったキャリアビジョンを積んでいきたいかをマインドマップ化し、その経験がマインドマップ上のゴールに繋がっているかどうかを客観的に見る。
●キャリアだけでなく人生を棚卸しする。これまでどういうときに熱意を持って物事に当たれたか、それはなぜか。どういうときにモチベーションが下がったか・・・。学生時代までさかのぼって良いので、昔からいままでを振り返る。
【多角的な視点】
●第三者と一緒に、時間をかけて幼少のころから社会人まで全部棚卸する。社会人になってからだけだと、無理している自分、こうあるべきで本意ではない自分の可能性があるため、幼少、学生の自然体の自分も認識する。
●30歳の節目で、いきなり社会人7年分を棚卸しする事は大変です。1年に一度は、振り返りとして差分を棚卸しして職務経歴書を定期的にアップデートする事が有効です。とはいえ、初めて職務経歴書を作る方は、一気に完璧な書類を目指さず、1.まずは、事実を網羅したドラフトを作る。2.転職のプロとディスカッションをした上で、キーポイントを外さない書類を作る。応募企業の業界・ポジションによっても、ややPRするポイントが変わる可能性がある為、プロに意見を求める事が良いでしょう。
【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:「エン転職コンサルタント」を利用している転職コンサルタント 140名
■調査期間:2014年12月1日~2014年12月12日
エン・ジャパン株式会社
広報担当:森本
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