「過重労働」に関する実態調査
過去1年間で過労死ライン(月間80時間)を超える
残業をした社員がいた企業は40%。
過重労働防止の取り組みとして多いのは、
「業務分担やフローの見直し」「管理職への教育」「残業の事前申請」。
-人事担当者向け 中途採用支援サイト『エン 人事のミカタ』アンケート-
人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営する人事担当者向け中途採用支援サイト『エン 人事のミカタ』( https://partners.en-japan.com )上で、企業を対象に「過重労働」に関するアンケート調査を行ない、408社から回答を得ました。以下、概要をご報告します。
★ 過去1年間で過労死ライン(月間80時間)を超える残業をした社員がいた企業は40%。
★ 過重労働防止に取り組む企業は74%。実施中の取り組みで多いのは、「業務分担やフローの見直し」「管理職への教育」「残業の事前申請」。
★ 「『過労死ゼロ等』緊急対策」について知っている企業は16%に留まる。
「過去1年間で過労死ライン(月80時間)を超える残業をした社員がいましたか?」と尋ねたところ、40%の企業が「いた」と回答。2016年12月に政府より公表された「過労死等ゼロ」緊急対策(※1)の是正対象に、半数以上の企業該当する可能性があることが分かりました。業種別に見ると、「いた」と回答した企業がもっとも多かったのは「広告・出版・マスコミ関連」(64%)。企業規模別に見ると、規模が大きくなるにつれ「いた」と回答する企業が多いようです。
【図1】過去1年間で過労死ライン(月80時間)を超える残業をした社員がいましたか?
【図2】過去1年間で過労死ライン(月80時間)を超える残業をした社員がいましたか? ※業種別
【図3】過去1年間で過労死ライン(月80時間)を超える残業をした社員がいましたか? ※企業規模別
「貴社では、過重労働防止に取り組んでいますか?」と伺ったところ、74%の企業が「はい」と回答。実施している取り組みについて伺ったところ、上位に挙げられたのは「業務分担やフローの見直し」(58%)、「管理職への教育(時間管理)」(52%)、「残業を事前申請させる」(51%)。「正社員を増やす」(24%)、「派遣社員・パートを増やす」(20%)といった人員を増やして対応するのではなく、既存社員の業務の進め方を変更したり、社内ルールの整備を優先している企業が多いことが分かりました。社員の過重労働に関する企業の悩みや課題についてもご紹介します。
【図4】貴社では、過重労働防止に取り組んでいますか?
【図5】過重労働防止に取り組んでいる企業に伺います。 実施している取り組みついて具体的に教えてください。 ※複数回答可
社員の過重労働について悩みや課題 ※業種/企業規模
○管理職が遅くまで社内に残っていることで、他の一般社員がなかなか帰りにくい雰囲気が作り出されてしまうこと。管理職の立ち振舞から変えていく必要がある。(サービス関連/1~50名)
○会社に長くいることを推奨する風土がある。業務の効率化を図り定時退社する社員に対し、低い評価をする。逆にダラダラと仕事し、何もせず残業している社員を高く評価する。まずは、現場社員よりも経営陣の考え方が変わらない限りは改善はされないと思う。(不動産・建設関連/ 51~100名)
○80時間超の残業をした社員がいた場合、産業医への受診とセルフチェックシートの提出をルールにしているが、体調が悪くても頑張ってしまう社員がなかなか減らない。(不動産・建設関連/ 101~300名)
○人件費の兼ね合いもあり、管理職や従業員本人が長時間労働を管理部門に隠す傾向がある。本人たちは良かれと思ってやっているようだが、会社側としては迷惑でしかない。(サービス関連/ 101~300名)
○残業代が社員の生活給の一部となっている実態。それを減らすということが社員のモチベーションダウンにならないように、改善に取り組まなければならないのが悩み。(メーカー/ 1001名以上)
「2016年12月に政府が公表した『過労死等ゼロ』緊急対策を知っていますか?」と伺ったところ、「内容も含めて知っている」(16%)と回答した企業は16%に留まりました。「知らない」(「名称は聞いたことがあるが、内容はよく知らない」「知らない」)と回答した企業が84%と多く、対策の認知度が低いことが分かりました。「内容も含めて知っている」と回答した企業から寄せられた「過労死等ゼロ」緊急対策に関するコメントもご紹介します。
【図6】2016年12月に政府が公表した「過労死等ゼロ」緊急対策を知っていますか?
「過労死等ゼロ」緊急対策に関する企業のコメント ※業種/企業規模
○各地域にある労働基準監督署によるチェック強化を行い、大企業だけでなく中小企業へのチェックも厳正に行わない限り、表面上だけで実効性に乏しいと思います。(金融・コンサル関連/1~50名)
○下請け企業の場合、急な納期のひっ迫により残業をしなければならない場合がある。ただ単に時間外労働80時間超えを取り締まるだけでなく、行政には現実を知っていただきたい。(メーカー/51~100名)
○企業名の「公表」は、社内外問わず、信用に著しい影響を及ぼすと思います。信用を失墜させないために、企業の上層部も本腰を入れて取り組むと思います。(広告・出版・マスコミ関連/101名~300名)
○単純に長時間労働も減らせば実効性につながるとは思えない。過労死の本質的な要因は長時間労働ではなく、時間内及び自己能力ではこなせない業務の積み重ねだと思う。(不動産・建設関連/301~500名)
○一定の抑止力は働くかとも思うが、除外されるべき業種もあると思う。(サービス関連/501~1000名)
○対策の効果があまりないと思う。そもそも有名企業でもなければ、企業名が公表されたところで話題にならないため、対策そのものの実効性に乏しい。(運輸業/1001名以上)
【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査期間:2017年1月25日~2月21日
■回答企業数:『エン 人事のミカタ』( https://partners.en-japan.com/ )を利用している企業408社
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▼プレスリリース ダウンロード 20170324_ミカタ(過重労働).pdf
エン・ジャパン株式会社
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