転職コンサルタント200人が回答!
「定年延長によるミドル・シニアの活用」調査
―『ミドルの転職』転職コンサルタントアンケート―
43%のコンサルタントが「50代を対象とした求人が増加」と回答。
「70歳就業確保努力義務」については53%が「対応が進んでいない企業が多い」と指摘。
人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営するミドル世代に特化した求人情報サイト『ミドルの転職』(https://mid-tenshoku.com/)上で、サイトを利用している転職コンサルタントを対象に「定年延長によるミドル・シニアの活用」についてアンケートを行ない、199名から回答を得ました。
★ 43%のコンサルタントが「50代を対象とした求人が増えている」と回答。増加していると感じる理由、トップは「若手人材の不足」。
★ 「50代の雇用の流動性が低い」と感じるコンサルタントは45%。理由は「企業が50代の活用策を考えられていないため」が2019年に続きトップに。
★ 29%のコンサルタントが「5割以上の企業がミドル・シニアの活用に取り組んでいる」と回答。2019年と比べ、「5割以上」と回答したコンサルタントの割合は11ポイント増加。
★ 「70歳までの雇用確保努力義務」、53%が「対応が進んでいない企業が多い」と回答。企業からよく聞く課題トップは「年齢軸にとらわれない人事管理の検討」。
「直近、50代を対象とした求人は増えていると感じますか?」と伺ったところ、43%が「増えている」と回答しました。「直近、50代を対象とした求人が増えている」と回答した方に、求人が増えていると感じる企業タイプを伺ったところ、トップは「中小企業」(76%)でした。次いで「大手企業」と「ベンチャー企業」がそれぞれ35%で並びました。前回2019年の調査と比較すると、「大手企業」と回答した方の割合が26%から35%へと9ポイント増加。大手企業で50代以上を採用する動きが増えつつあることがうかがえます。
また、同じく「直近、50代を対象とした求人が増えている」と回答した方に、求人が増えていると感じる理由を伺ったところ、トップは「若手人材の不足により、採用人材の年齢幅を広げざるを得ないため」(63%)でした。2019年の調査でも1位でしたが、回答割合が5ポイント上昇。若手人材の不足による採用対象拡大の動きが広がっているようです。2019年と比較して回答割合にもっとも大きな変化があったのは「年功序列から成果主義へのシフトが進んでいるため」(2019年:6%、2022年:20%)でした。ここ数年で議論が進んだジョブ型雇用などの影響がうかがえます。
【図1】直近、50代を対象とした求人は増えていると感じますか?
【図2】「直近、50代を対象とした求人が増えている」と回答した方に伺います。求人が増えていると感じる企業タイプを教えてください。(複数回答可、2019年・2022年比較)
【図3】「直近、50代を対象とした求人が増えている」と回答した方に伺います。求人が増えていると感じる理由を教えてください。(複数回答可、2019年・2022年比較)
現在の転職市場について、50代の雇用の流動性をどのように感じるか伺ったところ、45%が「流動性が低い」(低い:8%、どちらかといえば低い:37%)と回答しました。2019年の調査と比べると4ポイント減少しましたが、依然として約半数のコンサルタントが50代の雇用の流動性を低いと見ていることがわかります。そのように感じる理由を伺ったところ、トップは2019年に引き続き「企業が50代の活用策を考えられていないため」(2019年:59%、2022年:53%)でした。10ポイント以上上昇したのは「定年延長で企業コストが嵩み採用自体が鈍化しているため」(同:15%、27%)、「50代が担っていた役割を若手など別世代が担い始めたため」(同:11%、22%)でした。
【図4】現在の転職市場は、50代の雇用の流動性が高いと感じますか?(2019年・2022年比較)
【図5】「現在の転職市場は50代の雇用の流動性が低い(どちらかといえば低い、低い)」と回答した方に伺います。低いと感じる理由を教えてください。(複数回答可、2019年・2022年比較)
「ミドル・シニアの活用について取り組みを行なっている企業は何割程度あると感じますか?」と伺ったところ、29%が「5割以上」と回答しました。2019年の調査での18%から、11ポイント増加しています。また、企業の取り組みとして多いものを伺ったところ、59%が「年齢軸にとらわれない人事管理」と回答しました。具体的なエピソードもあわせて紹介します。
【図6】ミドル・シニアの活用について取り組みを行なっている企業は何割程度あると感じますか?
【図7】ミドル・シニアの活用についてどのような取り組みを行なっている企業が多いと感じますか?(複数回答可)
企業の取り組みについての具体的なエピソード
・人事部が現在の求人環境について経営層へ説明を行ない、若手社員を獲得することの難しさを説いてミドル・シニア層の採用を開始した企業があった。
・まずは顧問や契約社員など非正規採用で受け入れ、お互いの意向が合えば正社員や幹部に登用するという形があった。
・以前は年齢が上がるとマネジメント方面のキャリアしか選択肢がなかったソフトウェア開発系の企業で、マネジメントではなく技術職として定年まで働ける、スペシャリストキャリア制度を取り入れていた。
・基本的な研修として、セカンドキャリア・セカンドライフに関連するセミナーを開催し、今後の選択を自由に行なえる仕組みを導入する企業が増えている。
2021年4月の改正高年齢者雇用安定法で努力義務となった「70歳までの雇用確保」について、どのように対応している企業が多いと感じるか伺ったところ、53%が「対応が進んでいない」と回答しました。法改正から間もなく約1年となる現在でも、対応できていない企業が多いことがうかがえます。また、同じく改正高年齢者雇用安定法への対応について「企業からよく聞く課題を教えてください」と伺ったところ、トップは「年齢軸にとらわれない人事管理について検討しきれていない」(39%)でした。 2019年(改正法案の骨格が発表された後、国会提出の前)に実施したの調査と比べ、ほぼ全ての項目で回答割合が上昇しました。法改正により対応の重要性が増す中で、企業がより課題に感じていることがうかがえます。
【図8】「70歳までの雇用確保の努力義務(2021年4月の改正高年齢者雇用安定法)」について伺います。改正高年齢者雇用安定法にどのように対応している企業が多いと感じますか?(複数選択可)
【図9】「70歳までの雇用確保の努力義務(2021年4月の改正高年齢者雇用安定法)」への対応について、企業からよく聞く課題を教えてください。(複数選択可、2019年・2022年比較)
企業からよく聞く課題についての具体的なエピソード
・組織図上の上下関係と現場での実際の関係に歪みが生じている。
・再雇用社員の意識改革や、上司・部下の年齢逆転に伴うマネジメントの難しさなど、雇用延長に伴って課題がさらに増している。
・70歳定年どころか、60歳定年から65歳定年への制度移行すら対応しきれていない企業が多い。
・70歳まで継続して働く環境を提供できないという理由で早期退職を募る企業が増えていると感じる。
・ミドル・シニア層については新たに採用しても在籍期間が短いため、採用する必要性を感じないという声を聞く。
【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:『ミドルの転職』(https://mid-tenshoku.com/)を利用する転職コンサルタント
■有効回答数:199名
■調査期間:2022年1月13日~1月19日
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▼プレスリリース ダウンロード 20220131_ミドルの転職(定年延長によるミドル・シニアの活用)
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