転職コンサルタントに聞いた
「ミドル人材の面接で企業が重視するポイント」調査
―『ミドルの転職』コンサルタントアンケート―
ミドルの面接で企業が重視するポイントは「専門知識・経験」「人柄」「マネジメント力」
面接で高評価の場合は「給与額の交渉」もしやすくなる傾向に。
エン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営するミドル世代のための転職サイト『ミドルの転職』(https://mid-tenshoku.com/)上で、サイトを利用している人材紹介サービスの転職コンサルタントに「ミドル人材の面接で企業が重視するポイント」についてアンケートを行ない、160名から回答を得ました。以下、概要をご報告します。
★ ミドルの面接で企業が重視するポイント、トップ3は「専門知識・経験」「人柄」「マネジメント能力」。ミドルに求められる人柄、最多は「適応力」。
★ 面接官に好印象を与える求職者の行動、トップは「転職理由と行動に整合性がある」。面接で高評価の場合、給与額の交渉がしやすくなる傾向に。
★ ミドルの面接で悪印象を与える行動、トップは「応募先企業の理解不足」。
転職コンサルタントに「ミドルの面接において、企業が重視している点」について上位3つを伺うと、トップ3は「専門職種の知識・経験」(76%)、「人柄」(36%)、「マネジメント能力」(34%)でした。続いて、どんな人柄を重視するか伺うと「適応力」が65%がトップでした。企業が重視している点について、具体的なコメントも紹介します。
【図1】ミドルの面接において、企業が重視している点の上位3つを教えてください。
【図2】ミドルの面接において、企業が重視している人柄について教えてください。(複数回答可)
Q.「ミドルの面接において、企業が重視している点」で回答した内容について、理由や詳細を教えてください。
▼「専門職種の知識・経験」と回答した方
・即戦力を求めるため、専門職種の知識・経験は当然で「実績」を重視される。実績(成果)を出すためのプロセスも含めてアピールできるかがポイントとなる。応募書類に経験の有無(=担当した職務内容)しか記載がなかったり、実績に結果しか記載されていないのはアピール不足。
・入社初期段階から管理職での採用が前提となるため、即戦力として活躍できる知見・専門性は必須となっている。また、ミドル層の年齢からなぜ転職するのか、キャリアの一貫性や将来のビジョンが選考先企業と合致しているかも重要視されている。
▼「人柄」と回答した方
・協調性やポジティブさ、誠実さがないと、組織の中では徐々に居づらくなってしまい、退職となるケースも多い。
・入社早々に部下を持ち、かつ役員など会社上層部への連携も必要な役職で入社していくことになるため、新しい組織に馴染めるコミュニケーション能力を有しているかどうかも、確認されている。
▼「マネジメント能力」と回答した方
・同僚と円滑に業務遂行するコミュニケーション能力や部下へのマネジメント能力よりも、リスクなくビジネスを遂行するビジネスマネジメント能力が問われていると考えている。
・年齢が高くなる(目安として40歳以上)につれて、「管理監督者」としてのマジメント経験・実績が求められるようになる。若手のメンターや後輩のサポート役といった経験を、マネジメント経験ありという候補者が意外と多いが、管理監督者としてのマネージャーポジションはその経験だと弱い。
転職コンサルタントに、ミドルの面接で面接官に好印象を与える求職者の行動を伺うと、トップは「転職理由と行動に整合性がある」(79%)でした。続いて、面接での高評価が及ぼす、内定獲得以外の好影響について伺うと「給与額の交渉がしやすくなる」(61%)が最多でした。ミドルの求職者で、面接官からの評判が良い方の特徴やエピソードも紹介します。
【図3】ミドルの面接において、面接官に好印象を与える求職者の行動を教えてください。(複数回答可)
【図4】面接での高い評価が及ぼす、内定獲得以外の好影響について教えてください。(複数回答可)
Q.ミドルの求職者で、面接官からの評判がいい方の特徴やエピソードなどがあれば教えてください。
・条件面ありきではなく、仕事や企業に惹かれて応募をしたことが素直ににじみ出る方のほうが、高い評価となりやすい。あくまで即戦力採用なので、処遇面含めたアピールは問題ないものの、信頼関係ができていないところで希望だけを伝えるような表現をとってしまう方に対しては、採用の温度感が上がりにくい。自然と他社に負けない給与を出したいと思わせる面接の印象で終わらせる方のほうが、良い評価につながりやすい。
・即戦力で活躍できる専門性を有していることももちろん重要ではあるが、それ以上に、分からないことは分からないと言えたり、できないことをキャッチアップしようとする姿勢がある人は高く評価されている。
・転職先のことをよく調べた上で、自身の転職理由・キャリアビジョンに合致しているのかを見極めるような、意図をもった逆質問ができる人が評価されている。
・社長や役員陣との面談の際は、サービスや店舗を見たうえで「自分だったらどうするか」「どのような課題がありそうか」を入念に調べた上でお話される方は良い印象を与える場合が多い。
転職コンサルタントに、ミドルの面接において、求職者がやってしまいがちな悪印象を与える行動を伺うと、トップ3は「応募先企業の理解不足」(67%)、「ネガティブな転職理由」(61%)、「現職(前職)企業の批判」(49%)でした。具体的な理由やエピソードと、転職コンサルタントによる「ミドルの求職者が面接に臨むにあたってのアドバイス」も紹介します。
【図5】ミドルの面接において、求職者がやってしまいがちな悪印象を与える行動を教えてください。(複数回答可)
Q.「ミドルの面接において、求職者がやってしまいがちな悪印象を与える行動」について、具体的な理由やエピソードを教えてください。
・大企業から中小企業への転職にあたり、年収に対して求められる動き方が異なる点を理解せず、自身の価値判断で品定めをしてしまったり、管理職として「管理しているだけ」で評価がしにくいという印象になる方が多い。達成経験を聞いても、自身だからできたことと、成果の上がった組織にいたことの区別ができておらず、「自分の介在価値」をアピールできずに、在職企業のネームバリューや学歴で勝負するタイプは難しい。
・過去の転職理由がネガティブなものばかりであったり、現職の企業機密(具体的なクライアント名やプロジェクト内容)を挙げるなど信用に関わる内容を話してしまったり、応募先企業のことを理解していないといったケースで見送りとなることは意外と多い。
・企業情報や業界情報を確認しないまま選考に参加した場合に、志望理由をうまく説明することができず、良くない雰囲気で面接が終わったケースが多くある。特に、人事や経理などバックオフィス系を志望する場合、ポジションに興味があり、会社や業界に興味がない方に上記の事象が発生することが多い。
・ミドル~ハイクラスの方は、実績や経験が豊富であるが故にたくさんアピールしてしまう方が多い。結果として話が長くなりやすかったり、上から目線の話し方に聞こえやすく、相手への印象が良くないというパターンが見受けられる。
Q.ミドルの求職者が面接に臨むにあたってのアドバイスをお願いします。
・ご自身のスキルや能力は、エージェントからスカウトをされている以上の自信をもって面接に臨むべきだと思う。ただし、その自信を全面的に企業にアピールをすることで、採用担当者にとっては、「扱いにくい人材」「権利主張が強そう」など、マイナス評価を与えてしまいかねないことを肝に銘じておくことも重要。スカウトを受けても、企業としては雇用する側という意識がまだ潜在的に残っているため、謙虚さが最終的には内定への近道になる。
・事前に調べられることはしっかり調べた上で、逆質問の中で積極的なコミュニケーションを取ることにより、企業理解が更に深まり、会社の雰囲気や最終の入社意思を固めるポイントになる。逆質問の時間は、面接の中で候補者の方が主導権をもつタイミングのため、その際にいかに自身のことを知っていただくかが重要である。
・面接では本音と建て前を使い分けると良いという話を良くが、背伸びして入社した場合にその後のギャップに苦しみ、早期退職に繋がるケースも一定数ある。そのため、面接での質疑応答などは取り繕わず、素直に対応し双方にギャップの無い形を作られるほうが、長期的なキャリア形成ができると思う。
・自身の業務の棚卸しにあたり、プレイヤーとして、管理職としてできること、自身が介在したことで生まれた成果・価値などを意識した上で、新しい環境においてもパフォーマンスをあげられる人材であることをエピソードベースで伝えられると、説得力が増す。これまでの経験を、企業サイドから見て理解しやすいようにかみ砕いてあげることで、入社後の評価含めて、より良い立場で過ごせるようになると思う。
【調査概要】
■調査方法 :インターネットによるアンケート
■調査対象 :『ミドルの転職』(https://mid-tenshoku.com/)を利用するコンサルタント
■有効回答数:160名
■調査期間 :2023年7月7日~7月13日
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▼プレスリリース ダウンロード 20230728_ミドルの転職(ミドル人材の面接で企業が重視するポイント)
エン・ジャパン株式会社
広報担当:清水、高田、齊藤
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