転職コンサルタントに聞いた
「スカウトを送りたい/送りにくい職務経歴書」調査
―『ミドルの転職』コンサルタントアンケート―
スカウト送付時の注目ポイント、職務経歴欄トップは「職務内容の具体性」。
「フリーワード検索」でよく使うワードは「DX」が最多。
エン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営するミドル世代のための転職サイト『ミドルの転職』(https://mid-tenshoku.com/)上で、サイトを利用している人材紹介サービスの転職コンサルタントに「スカウトを送りたい/送りにくい職務経歴書」についてアンケートを行ない、260名から回答を得ました。以下、概要をご報告します。
★ 半数の転職コンサルタントが、職歴の記載不足でスカウト送付ができないミドルが4割以上いると回答。
★ スカウト送付時の注目ポイント、プロフィール欄トップは「学歴や職務経歴の評価や親和性」。職務経歴欄トップは「職務内容が具体的に記載されているか」。
★ 職務経歴・履歴書の作成でやってしまいがちな失敗例トップ3は「レイアウトが見づらい」「出来ることが曖昧」「成果に具体性がない」。
転職コンサルタントに「スカウトを送る際に、職務経歴書・履歴書の内容が不十分で送付判断ができない求職者はどれくらいいると感じますか?」と伺うと、48%が「4割以上」(4割:25%、半数以上:23%)と回答しました。職務経歴書・履歴書の内容が特に不十分だと感じる項目については「直近在籍企業での職務内容」(62%)が最多でした。
【図1】スカウトを送る際に、職務経歴書・履歴書の内容が不十分で送付判断ができない求職者はどれくらいいると感じますか?
【図2】スカウトを送る際に、職務経歴書・履歴書の内容が特に不十分だと感じる項目を、教えてください。(複数回答可)
転職コンサルタントに、スカウトを送る際に「プロフィール」で特に注目しているポイントを伺うと、トップは「学歴や職務経歴が評価でき応募先と関係性があるか」(67%)でした。「職務経歴」で特に注目しているポイントに関しては、「職務内容が具体的に記載されているか」が83%で最多でした。「フリーワード検索」でよく使うフリーワードや、「職務内容」に関して職種別で特に注目しているポイントも具体的に伺いましたので、あわせて紹介します。
【図3】スカウトを送る際に、「プロフィール」で特に注目しているポイントを、教えてください。(複数回答可)
【図4】スカウトを送る際に、「職務経歴」で特に注目しているポイントを、教えてください。(複数回答可)
Q.スカウトを送る際に、「フリーワード検索」で直近よく使うフリーワードがあれば教えてください。(複数回答可)
その他の回答
・求人で使用されているピンポイントのキーワード
・資格
・マーケティング
・人事企画、制度企画など、人事職種の中でも具体的な領域を指すワード
・開発、構築
・新規開拓
・資金戦略、株主総会、連結決算など
Q.「職務内容」において、職種別で特に注目しているポイントがあれば具体例を教えてください。
▼営業系
・直近数年の実績(予算と実績、達成率)。
・営業スタイル(新規か既存か、海外協力会社と協働か、代理店販売かなど)
・経験した業務内容、年数、業績、語学力、海外駐在経験、マネジメント経験の有無(有の場合はそのスケールなど)。
▼管理部門系
・人事:どのような領域に強みを持っているのか。(人事企画、人事制度企画、報酬、評価、労務企画、BPO、業務改善、DX、人材開発、研修、人材教育、新卒採用、中途採用、エンジニア採用など)
・経理:具体的にどんな経験を持っているのか(決算書作成、税務、連結決算、財務諸表作成、資金調達の経験、IPO経験など)。経験した企業規模も見ている。
・総務:上場企業での株主総会対応経験
▼経営・経営企画・事業企画系
・職務内容の範疇が各社によって大きく異なるため、守備範囲を具体的に示されている方を見ている。
・次期社長候補を探す場合、経営トップ、事業部長、役員などの経営経験があるかどうか。
・新規事業開発やITを活用した業務効率化、課題解決経験。
▼IT・Web・通信系
・ IT系の方は、PG→SE→PL→PMと進むのが通常。ただ、その進化と共に、手を動かせない(プログラミングや実機テストなどから離れていてついていけていない)ケースが多い。一方で、企業要件は手を動かせる、プレイングマネージャを求めることがよくあるため、ついていけるかどうかに注目している。
・担当されているプロジェクトの業界領域を見る。
・ハンズオンでの開発、もしくは管理系の業務に就きながらも自分で手を動かして業務を遂行出来るか。
▼コンサルタント系
・要件定義、PM/PLの経験、並びに、マネジメント/PJの規模については、年齢が上がるにつれ、特に着目している。
・コンサルタントは予算もあるため、その達成率と売上。
・コンサルタントとしてどの分野の経験を積んできたか。
▼マーケティング・販促企画・商品開発系
・具体的なマーケティング手法と実績。
・オンライン、オフラインのどちらに強いか。
・デジタルマーケティング対応が出来るか。
▼不動産系専門職
・施工管理、マンションフロント、意匠設計、プラント施工管理、プラント設計、意匠設計、設備管理、プラント保全など、それぞれ何年経歴があるか。どんな物件か、物件数、組合費値上げ交渉成功事例、出張期間など。
・どの立ち位置の経験があって、次はどこに転職したいのか(ゼネコンからデベロッパーに行きたいなど)。
・携わっていた案件の規模感。
転職コンサルタントに、ミドルが職務経歴書・履歴書の作成でやってしまいがちな失敗例を伺うと、トップ3は「レイアウトが見づらい」(57%)、「専門性や出来ることが曖昧」(47%)、「仕事の成果に具体性がない」(42%)でした。失敗例に関する具体的なエピソードと、転職成功する人の職務経歴書・履歴書の記入方法の特徴に関するコメントも紹介します。
【図5】職務経歴書・履歴書の作成でやってしまいがちな失敗例を教えてください。(複数回答可)
Q.上記の失敗例について、具体的なエピソードがあれば教えてください。
▼「レイアウトが見づらい」と回答した方
・情報がとりあえず伝われば良いと思っている方が多いが、実際は、正確にわかりやすく記載することが出来るかどうかも見られている。ミスタイプやレイアウトのズレなどをこちらから指摘しても、これで良いと固い意志を示しそのままにする方もおり、結局書類選考で落選するケースも見受けられる。
・Word/Excelのスキルがあるというアピールをしている方でも、レイアウトを見るとそのスキルが感じられないケースがある。
・提出前に印刷プレビューで確認していないせいか、枠がはみ出ていたり、文字のフォントに統一性がないことがある。
▼「専門性や出来ることが曖昧」と回答した方
・記載内容から具体性やその人らしさが見受けられず、他の方との差別化に乏しい。
・主観的な行動や成果しか記載していない。自分の想いが出すぎていて自分のスキルや経験が客観視できていない。
・せっかく素敵な経験でもあっさり書きすぎている。「雑務」のようにまとめて、具体的な業務内容が書けていない。
▼「仕事の成果に具体性がない」と回答した方
・自己顕示欲が強過ぎるような表現が多く、具体的な実績(定量的、固有名詞)の記載がない。
・経歴に信ぴょう性を持たせるためにも、数字で具体的に記載することが重要だと思う。「多くの会社で良い評価をいただきました」ではイメージできないため、「100社以上の会社から評価いただき、前年より130%の実績を上げた」などの具体性が重要だと添削することが多い。
・成果が定量的に書かれている人でも、目標の大小が分かりにくい人がいる。会社の目標が高すぎてハイ達成がほぼ不可能な会社に在籍している人であれば、それなりのパフォーマンスでも平均以下と誤認されることがある。
Q.転職成功する人の職務経歴書・履歴書の記入方法の特徴があれば教えてください。
・「読む」のではなく「見る」だけでサマリーが把握出来るようになっている。
・職務経歴書は3~4枚がベスト。
・希望するポジションで求められる経験に対し、自己のキャリアがいかにマッチしているかを簡潔にアピールしていること。営業であれば、何をどんな立場で営業し、年間何件の契約を取り、いくらの利益計上をしているか。また転職先でも再現性をもって同じ実績が作れるという根拠の記載があり、そこにギャップが少なければ書類選考の通過率は格段に上がると思う。
・職務要約が分かりやすく、何が強みでどう貢献出来るのかが冒頭に記載されている。職歴については、会社の事業内容、年商、従業員数が各社書かれており、その会社での役職、部下人数、業務内容、実績が書かれてあること。表などを使って見やすくまとめられている職歴がベスト。
・項目ごとに見出しを付けよく整理されていると、この方はどういう方で何が出来るかを俯瞰的に見ることが出来るため、詳しく見てみようと思う。そういう方ほど、面談をしても自分のことがよく分かっていて、きちんと説明出来る方が多い。
【調査概要】
■調査方法 :インターネットによるアンケート
■調査対象 :『ミドルの転職』(https://mid-tenshoku.com/)を利用するコンサルタント
■有効回答数:260名
■調査期間 :2023年8月31日~9月6日
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▼プレスリリース ダウンロード 20230926_ミドルの転職(スカウトを送りたい/送りにくい職務経歴書)
エン・ジャパン株式会社
広報担当:清水、高田、齊藤
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