ニュース詳細

「中途入社者の貢献実感」実態調査
『入社後活躍研究所』× 甲南大学 尾形教授 共同研究 中途入社者の活躍に欠かせない「貢献実感」には、
組織の「入社前の情報開示」「コミュニケーション活性化」「仕事の意義提示」、
中途入社者の「能動的にフィードバックを求める」ことが必要。

2020/03/23

人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営する『入社後活躍研究所』( https://corp.en-japan.com/success/ )と甲南大学の尾形教授が共同研究において、「中途入社者の貢献実感」をテーマに中途入社から1年が経過した方530名を対象にインターネットによるアンケートを実施。調査結果をご報告いたします。

 

調査結果 要約

● 中途入社者の活躍に欠かせない「貢献実感」には、組織の「入社前の情報開示」「コミュニケーションの活性化」「仕事の意義提示」、中途入社者の「能動的にフィードバックを求める」ことが必要。

● 「貢献実感」を促す組織側の施策、最も実施できていないものは 「入社前の情報開示」。「貢献実感」にマイナスな影響を与える要因は 「精神的プレッシャー」。

※本調査を踏まえた研究所からの提言、解説は下記ページで詳細をご紹介しています。
https://corp.en-japan.com/success/21537.html

 

1:中途入社者の活躍に欠かせない「貢献実感」には、組織の「入社前の情報開示」「コミュニケーションの活性化」「仕事の意義提示」、中途入社者の「能動的にフィードバックを求める」ことが必要。(図1

様々な組織側の施策・中途入社者側の行動の中で、「転職先のRJP(※)」、「コミュニケーション風土」、「タスク重要性」、「フィードバック探索行動」が「貢献実感」に好影響を与えることが分かりました。入社前にネガティブな面も含めたリアリティのある情報を提供しておくこと。入社後には、上司がコミュニケーションしやすい雰囲気を作り、仕事の意味や意義について定期的に話し合うことが、中途入社者の活躍に繋がると考えられます。

中途入社者の「フィードバック探索行動」も「貢献実感の向上」に有効であることが明らかになりました。これは中途入社者自身の行動ではありますが、その行動を促進させるような組織的な働きかけをすることが重要だと考えられます。コミュニケーション頻度を増やし、話しかけやすい雰囲気を作る。仕事の自律性を高め、フィードバックを求めざるを得ない仕事の任せ方をする。こういったことが考えられます。一方で、「精神的プレッシャー」はマイナスの影響を与える結果となりました。

※RJPとは「Realistic Job Preview」の略。日本語では「現実的な職務予告」。企業が採用活動の際に、求職者に仕事や組織について良い面だけでなく悪い面も含めた、ありのままの情報を提供すること。

 

1】組織の施策・中途入社者本人の行動と「貢献実感」への影響について(◎好影響、ー影響なし、☓悪影響)

 

 

2:「貢献実感」を促す組織側の施策、最も実施できていないものは 「入社前の情報開示」。貢献実感」にマイナスな影響を与える要因は 「精神的プレッシャー」。(図2

中途入社者の「貢献実感」に好影響を及ぼす組織側の要因の中で、中途入社者が最も実感できていない施策は「転職先のRJP」(39.5%)でした。売り手市場のにおいて、ネガティブな面を伝えづらいことは多いに想定できます。一方、「RJP」を実施しなければ、入社後のパフォーマンスが下がることが今回の調査でも明らかになりました。中途入社者側の要因である「フィードバック探索行動」ができている方は48.5%。マイナス影響を及ぼす「精神的プレッシャー」を感じている中途入社者は56%でした。中途入社者は早期に成果を出そうと焦るもの。周りからも即戦力と見られがちです。そのような中で、中途入社者にプレッシャーを感じさせることは貢献実感に悪影響を与えます。まずは、中途入社者に精神的安心感を与えられるようにすることが重要ということが伺えます。

 

2】「貢献実感」に影響を及ぼす要因に関するアンケート結果

 

甲南大学 尾形教授 解説

少子化によって労働生産人口が減っていくにもかかわらず、生産量は変わらない、あるいはそれ以上が求められている状況において、いかに人材を確保していくのか重要な組織課題となるでしょう。そのような中で、人材確保の重要な手段の1つが中途採用になります。近年の我が国における労働市場を見ると、企業にとって中途採用は有効な人材確保の手段であり、その需要は今後益々高まっていくと考えられます。だからこそ、中途入社者をいかに組織に適応させるかは重要なテーマと言えます。

今回の調査報告は、中途入社者530名への質問票調査を実施し、統計的に分析したもので、「貢献実感」に影響を及ぼす要因を解明しています。中途採用者は、即戦力として採用されるため、自分自身が戦力として会社や職場に貢献できているという貢献実感は、組織適応を測定する重要な指標と言えます。しかしながら、記述統計の結果からは、貢献実感を得られている中途入社者は39.2%であり、少ないと言えるでしょう。中途入社者が貢献実感を得られるのは、1年以上の時間を有するということが理解できるかもしれません。

そこで中途入社者の貢献実感に影響を及ぼすものは何かを理解することは有意義です。分析の結果、中途入社者の貢献実感に影響を及ぼす要因として、中途入社者自身の行動ももちろん重要ですが、それ以上に組織や職場の上司の役割が重要であることが理解できました。仕事に関する正確な事前情報を提供するRJPは人事の役割ですし、重要なタスクを割り当てることや職場のコミュニケーション風土を醸成するのは、上司の役割が多大です。さらに、人事部員や上司が中途入社者の精神的プレッシャーを緩和するサポーターの役割を果たすことも重要でしょう。中途入社者に期待通りのパフォーマンスを発揮してもらうためには、人事部や職場の上司の役割は重要です。

甲南大学 経営学部 教授 尾形 真実哉(おがた まみや)氏

1977年 宮城県生まれ。専門は組織行動論、経営組織論。研究テーマとしては、若手社員の組織社会化や中途採用者の組織再社会化、人材育成、特に育成型リーダーの育成など。単著に『若年就業者の組織適応:リアリティ・ショックからの成長』(白桃書房)、共著に『人材開発研究大全』(東京大学出版会)、『日本のキャリア研究:組織人のキャリア・ダイナミクス』(白桃書房)、『経営行動科学ハンドブック』(中央経済社)、『入門組織行動論第2版』(中央経済社)など。

 

【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:中途入社から1年が経過した方
■有効回答数:530名
■調査期間: 2019年6月30日 ~ 9月9日

 

入社後活躍研究所 https://corp.en-japan.com/success/

2016年8月に設立された、転職者や企業の入社後活躍を調査・研究する専門組織。「入社後活躍」に関する情報発信・調査・研究・提言を行ない、入社者の仕事を通じた「人生の充実と企業の業績向上への貢献」に寄与することを目指しています。

 

▼プレスリリース ダウンロード 20200323_入社後活躍研究所(中途入社者の貢献実感)

エン・ジャパン株式会社
広報担当:大原、松田、清水、西春
TEL:03-3342-6590 FAX:03-3342-4683
E-mail:en-press@en-japan.com