エン・ジャパンでは、2019年2月より「エン転職」を利用していただいた企業に、社員の離職リスク可視化ツール「HR OnBoard」の無償提供を行なって参りました。入社した方の定着・活躍を支援し、また、そのデータを用いて「入社後活躍の実態」についても調査を進めています。
今回、そのデータを用いて、当社が提唱する 『オネストリクルーティング』の効果検証をいたしました。 『オネストリクルーティング』とは、求人企業が 「事実性、率直性、改善性」に基づいた正直な情報を、求職者に提供することによって、入社と入社後活躍の可能性を高める採用手法のことです。
「事実性」に基づく情報提供とは、入社前に、ありのままの事実を歪めることなく伝えることです。事前に現実を理解してもらうことによって、入社後のリアリティショックを防ぎます。「率直性」と「改善性」は企業について書かれたクチコミサイトとの連携も必要です。「率直性」に基づく情報提供とは、自社の意志、想いを主張すること、また、クチコミサイトに書かれている自社の評判について、率直に意見を述べることです。クチコミが批判的な内容であっても、あえてそうすることを選択しているのであれば、それを素直に伝えることが大切です。求職者のセルフスクリーニングにつながり、入社者の質が高まります。 「改善性」に基づく情報提供とは、既に自覚している自社課題への反省と解決策を提示すること、また、クチコミで書かれているネガティブな評判に対して改善の意思を表明することです。自社の課題やクチコミを真摯に受け止め、これからどのように改善していくのかを述べる。求職者から誠実な企業だと認識され、応募意思の増大と入社後の組織コミットメントに繋がります。エン転職はこの『オネストリクルーティング理論』を用いて企業の支援を行なって参りました。
本調査では、『オネストリクルーティング』の効果を検証するために、「HR OnBoard」から抽出した2つのデータを用いて、「エン転職経由の入社者」と「その他の採用手法経由の入社者(※)」を比較分析しています。比較項目は 「入社から1年後の定着率」、「入社後の活躍実感」、「今の職場で今後も継続して働いていきたいと思っているかどうか(就業継続意思)」、「定着率・入社後の活躍実感・就業継続意思に影響を及ぼす要因」の4つです。
『オネストリクルーティング』は入社後活躍に寄与しているのか。調査データから分析・考察します。
※「HR OnBoard」に登録された利用者のうち、エン転職経由でない入社者(他の転職サイト、人材紹介、HP、リファラル経由など)のことを指します。
<調査データⅠ>
調査対象:定着支援サービスHR Onboard利用者 3872名(2017年12月~2019年6月に入社した方)
調査方法:定着支援サービスHR OnBoard利用者の1年後定着率を計算
※利用者3872名を分母、1年以上在籍した方を分子として計算
※「在籍」の定義は、HR OnBoard利用企業が登録者を「退職」にフラグ変更していないこと
<調査データⅡ>
調査対象:定着支援サービスHR OnBoard利用者で、入社から1年が経過した方 1239名(有効回答)
調査方法:webアンケート
調査期間:2020年4月1日~6月29日